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宇宙の忘れ物(7)

夜が明けた。

テロリスト達はあっさり降伏した。

やはり王が殺されて指揮系統がまとまっていなかったのだろう。

これで一件落着と言いたかったがボクまでテロリストと間違われ拘束されてしまった。

「クソったれ、離せボケナス。」シェリーが口汚くののしっている。

しばらく臭い飯を食う事になりそうだ。



拘束されて3日目にやっと釈放された。

もう2度とこんな目には会いたくない。

取りあえずホテルに向かおう。ベッドの上でぐっすり眠りたい。

門を出てしばらくしてからボクは気が変わり公園に向かった。

ベンチでタバコをふかしながら待つ。

深雪がやって来た。

「待ってたよ。」隣を指差し座るよう促す。

深雪は黙って座った。

「炭鉱での一件は全部キミの仕業だね?」

深雪は黙って頷いた。

「盗聴器?」

「ごめんなさい」

「都合が良すぎると思ったよ」

「これからどうするの?」

「地球に帰って就活かな?」ボクはくすっと笑った。

「火星に残らない?」深雪が意外な台詞を吐いた。

「忘れ物はもう無いよ。」しばし沈黙のあとボクは答えた。

深雪は「そう」とだけ答えて去っていった。

さてと、ボクは大きく後に向かって手招きした。

シェリーが後からやって来た。

「ボクに尾行は通用しないよ」

「相変わらず勘だけはいーな、おめーは」

「で、何か用なの?」

「お前をうちにスカウトしようと思ってな」

「ボクにCIAに入れと?」

「ロジャーが偉くお前の事を買ってね。是非ともだとよ」

まったくついてるんだかついてないんだか。

「給料ははずんでもらうからな」



空港でシャトルを待っている間にテレビで一連の事件が流れていた。

ワイドショーに出てくる著名人、タレントは好き勝手なことばかり述べている。

全て的外れな意見でテレビのいい加減さが嫌と言うほど分かった。

そろそろ搭乗手続きをしなければ。

席を立った時に急激な腹痛が襲った。

ヤバイ、トイレに速攻駆け込んだ。

かなり時間がかかってしまった。これで乗り遅れるなんて勘弁してくれ。

手を洗おうと洗面台に行くと男が手を洗っていた。

石鹸を大量に使い泡を撒き散らして迷惑この上ない男だ。

ボクは手を洗ってから「水出しっぱなしはもったいないですよ」と注意をして外に出た。




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[ 2013/12/30 ] 小説 | TB(0) | CM(0)