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星くずの夜(前)

夜が明けた新宿。カラスたちがゴミを漁り、キャバ嬢とホストが肩を寄せあい何やら談笑している。そんな寂れた街中に似つかわしくない一人の少女が颯爽と歩いている。
凛とした表情に幼さが同居した不思議な雰囲気の持ち主だ。
「負けなかったか。。。」空を見上げながら呟いた。

昼下りの教室は少女達の独壇場だ。
「ちょっと~美里下品だよ」大あくびをした少女に同級生が話しかける。
「うーん、寝てなくてさー。しつこいやつに朝まで付き合わされちゃって」
「え~、男と朝帰り?」
「そんなわけないでしょ。テスト勉強に決まってるじゃない」
「だよね~。女子校の私達には縁のない世界の話よね」
二人はクスクス笑う。
「テストが終わったら夏休み。今年こそは彼氏見つけないとね。」腰に手を当て美里に宣言する。
「がんばってー」気のない返事をする。
「ほんと美里は恋愛に興味ないよね~」
呆れたと言わんばかりの表情を浮かべる。
「えへっ」いたずらっ子と言った感じの美里の笑顔はたまらなく魅力的だ。
「可愛いのにほんともったいない」少女は両手を上げて首を振った。

新宿の雑居ビルの三階にあるごくありふれた雀荘牌の声には子気味のいい音が響き渡る。
「マスター今日も美里ちゃん来ないの?」中年男の宍倉は不満そうだ。
「どうだろうね~。テストがあるからね~」いかにも人の良さそうな初老の男が答えると同時にドアが静かに開き美少女が姿を現す。
「美里ちゃ~ん」皆一斉に声をかける。
タバコを消し窓を開け美里を歓迎する。
「美里ちゃ~ん、早く打とうよ~」宍倉が待ちきれないと言う様子だ。
「待った。しっしーいつも美里ちゃんと打ってるんだからたまには俺らにも譲ってくれよ」
部屋中にブーイングが響き渡る。
「美里ちゃんと打つのは俺の特権なの。さあ、早く打と」
完全アウェイにも、空気を読まない宍倉。
卓には見かけない男が座っている。
「美里ちゃん、この人は最近よく来る山上さん。まだ初心者だから手加減してね」
いかにも真面目な銀行員風の若いサラリーマンだ。
「お手柔らかにお願いします」物腰が柔らかく誰にでも好印象を与える。

山上は確かに初心者のようだ。牌の扱いが危なっかしく
見え見えの染め手に振ったりしている。だが、ビギナーズラックと言うやつなのかオーラストップに立っている。
しかし、美里の手には逆転手の親っパネをテンパイし鳴いているので皆無警戒だ。
「ローン」山上が宍倉に振り込んでしまった。
「ザンク(3900)山上さんちゃんと読まないとダメだよ~」
「いや~何とか勝てましたが、いつまで経っても振り込みマシーンです。」
山上のマジボケに店中大笑いだ。美里を除いて。
次の半荘も打ったが山上のツキは落ちなかった。
「久しぶりに勝てましたよ~」
「よ~し、これから山上さんの奢りで、飲みに行くぞ~」
宍倉が威勢良く喋る。
「いえ、全部奢るのは。。。」
「冗談だよ。普段稼がせて貰ってるんだから割り勘だよ。」
「助かりました~」ほっとため息をつく。
「美里ちゃんも来るでしょ?」宍倉の哀願するような眼差しに苦笑しつつ了承した。
居酒屋では皆ハイテションのばか騒ぎだ。
程ほどに相手をし、高校生の美里はテスト勉強を理由に早々と退席した。
山上も朝が早いと言う理由で美里と店を出た。
「美里ちゃん、今日は楽しかったです。また遊んでくださいね」山上は、高校生にも丁寧な態度を崩さす柔和に話しかける。
「アンタ、プロだな」突然、美里は女子高生とは思えない氷のような眼差しを山上に向ける。
「え、何の事でしょう。。。私は只のサラリーマンですが。。。」美里の迫力に訳がわからず動揺している。
「アタシに構うな」
踵を返し足早に消えて行った。
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[ 2016/03/06 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

どーでもいー絵

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[ 2016/03/01 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)





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