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欠片を求めて(6)

習慣と言うものは恐ろしい。
最初は煩わしかったものがいつの間にか当然の事となってしまう。
今日も、平木は忙しい合間を縫って少女と談笑している。
僅かな時間だが、それを楽しみにしている自分に気が付く。
良い悪いは置いといてだが。

そんな、細やかな楽しみを過ごしている所に桜井から呼び出しを食らう。
少女に別れを告げ、一目散に駆けつける。
「平木〜お前最近浮かれてないか?」
桜井の、鋭い視線から浴びせられた言葉に、口から心臓が飛び出ると言う表現を実感する平木。
「めんどくせー飲み会がそんなに楽しみなものなのかねー。」
「へ?」間抜けな返答をする平木。
「飲み会だよ。金曜にやるだろーが。」
「あ、そうでした。」
怪訝な顔をする桜井。
「きっちり仕事をするから、酒が美味いんだよ。たるんでるんじゃねーぞ。」
「すみませんでした。」
深々と首を垂れる平木。
「だったら、目の前にある物をどうすればいいか分かるよな?」
医療メーカーからの大量のパンフレットにお腹いっぱいでもう無理だろって気分だ。
「うざい営業がもうすぐやってくるからお前が対応しろ。」
「分かりました。」
あの暑苦しい営業の顔を思い浮かべ、暗澹たる平木だった。

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[ 2017/01/31 ] 小説 | TB(0) | CM(0)