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宇宙の忘れ物(2)

田舎暮らしの長かったボクには少々きつい。
春だって言うのに東京は夏のようだ。
新宿駅を降りて15分程歩いたところにあると言うビルに向かった。
ここか。地味なビルの5階にSDC日本支社と書いてあった。
外観は地味だが中はおしゃれな調度品で整えられさすが外資と言ったところか。
美人秘書に目を奪われつつチェックは怠らない。
社長室に通された。
「待ってたぞ」あの暑苦しい声と再会だ。
ボクは今回の礼を述べようとしたがさえぎられ椅子に腰掛けた。
「前置きは抜きにして用件を述べる。お前には火星に行ってもらう。」
おいおい、聞いてないぞ。
「最近ニュースで話題のMIMのリーダーを捕まえて欲しい。」
マジかよ。
「スタッフは用意してある、早速成田に向かってくれ。」
付いた早々こき使ってくれる。
ボクはため息を一息ついて席を立った。
「あーそうそう、火星では深雪によろしくな」
影山は意味深な笑顔をボクに向けた。
無限の闇の中を火星に向けて飛んでいた。
ボクはトレーニング後の一服を味わいながらワイドショーを観ていた。
新型ワープホールが完成間近と大々的に報道している。
全く技術の進歩って奴は目覚しい。
人が気軽に宇宙に出るようになってまだ10年も経ってないってのに。
そこに臨時ニュースのテロップが流れた。
どうやら火星ではまた爆弾テロが横行しているようだ。
これからそんな物騒な所に行かなくてはならないのかと暗澹たる気分でいろところを声がさえぎった。
「ここは禁煙よ」
背は小さいが態度の大きい女がガンを飛ばしている。
「そんなに吸いたきゃ喫煙室に行きなひょろのっぽ」
中指をしっかり立てながら注意をしてくれた。
「これは失礼」タバコの火を消し立ち去ろうとしたとき地面につんのめった。
やってくれるぜ。
このクソチビ女足を引っ掛けやがった。
「社長の友人だか何だか知らないが素人は大人しくしてな」
捨て台詞を吐いて行ってしまった。
このクソチビ女に限らずここのクルーは癖のあるやつばかりだぜ。
無事火星に到着したか。
安全性が向上したとは言え宇宙では何が起こるかわからない。
地上に降りれた事を神に感謝したい気分だ。
しかし、この後の事務処理が面倒なんだな。
火星での武器の使用許可やなんやとやることが山積みだ。
憂鬱な気分になってるのを更に増長させることがあった。
リーダーの山崎の姿が見当たらないのだ。
あのヤローどこに行ったんだ。
隣のクソチビ女はさっきからやたら時計に目をやり時間を気にしていた。
「いやーわりーわりー」全く悪びれた様子もない山崎がゆっくり近づいてきた。
「皆トロトロすんなよ。火星ではちょっとした油断が命取りになるんだからな」
全員殺気だったのが分かった。
クソチビ女が山崎に噛み付いた。
「こら、デカのっぽお前のクソ待ちで何分待ったと思ってんだ?」
いくらなんでも、言い過ぎだった。
「シェリーお前ずいぶんなめた口利くじゃねーか」
山崎がぶち切れた表情でクソチビ女に迫った。
不味い。間に入ろうとしたその時だった。
目の前に閃光が走った。
一瞬の出来事だった。
爆風と煙の後にはボク達の前にあった人と物が全て消えていた。
後に残ったものは瓦礫の山だけ。
どうやら爆弾テロのようだ。
地獄絵図とはこのことを言うのだろう。
パニック状態の客をおしのけとにかく出口に向かった。
山崎のトイレのおかげで巻き込まれなくて良かったが幸先良いのか悪いのか
こうして火星一日目がスタートした。

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[ 2013/03/21 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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