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宇宙の忘れ物(4)

ボクはオールバックにシルバーのタキシード姿でホテルのラウンジにいた。

王の誕生パーティーに招待されたと言う設定だ。

普段着慣れない格好をしているから窮屈でたまらない。

コーヒーを飲みながら新聞に目を通す。

爆弾テロの詳細が載っていた。微量のウイルスが検出されたらしい。

腕時計に目をやると針は約束の時間を過ぎていた。

全く女って奴は支度に時間がかかって必ず遅れる。

「お待たせ」後から声をかけられた。

振り向いて声を失った。

目の前にチャイナドレス姿の貴婦人がいたからだ。

呆然としていると「何ボケっとしてるんだタコ」と罵声を浴びた。

「さっさと車用意しろや」シェリーは中指を立て息巻いた。

クソチビ女が。

車を用意しようと席を立つと追い討ちをかけるように

「センスねーなー。あたしの相手つとまんねーだろが。」

自分でも気にしていたことをズバっと指摘された。

こいつと夫婦って設定考えたヤローを殺したくなった。



会場は大賑わいだった。

テレビで良く観る有名人がわんさか居た。

特に大物政治家などは王の権力を現している。

シャンパンを飲みつつ観察していると音楽が鳴った。

ダンスのお時間だ。

次々とホールの中央で踊り始めた。

「良かったらお相手してくれませんか?」

若い女性が声をかけてきた。

まいったな。仕事中なんだが。

いい訳を考えていろと「ごめんなさい、この方は私と先約があるの」

チャイナドレス姿のシェリーが間に割って入った。

ボクの手を取りダンスの中心に向かう。

「おい、仕事中だぞ。」

ボクは小声で言った。

「あの状況で踊らないわけにはいかないでしょ。」

確かにその通りだが。

「ダンスに自信が無くて?」

シェリーは片目をつぶった。

「一通りの作法は心得ているさ」

実はダンスには自信があった。

シェリーに恥をかかせてやる。

リズムに合わせステップを踏む。

シェリーの困惑する顔を見るはずだった。

ところが、シェリーは見事なステップを披露した。

明らかに専門家の指導を受けている。

「あら、ダンスの心得があったのでは?」

してやったりと言った感じでニヤけた。

ボクは恥ずかしさと後悔で言葉が出なかった。



ボクとシェリーは腕を組みながらエレベーターに向かっていた。

そこは個人用のエレベーターで網膜スキャンをクリアしなければ使えない。

コンピューターにハッキング済みなので何食わぬ顔で通過出来る。

ガードマンが二人立っていた。

挨拶をしスキャナーを覗く。

ブザーが鳴った。

認証に失敗したようだ。

苦笑いを浮かべもう一度チェックする。

無常にもまたブザーが鳴る。

ガードマンの表情が変わる。

不味いどうなってんだ?

その時無線が入った。

「今、ハッキングしなおしているもう少し時間をかせいでくれ」

ふざけんな。この状況でどうやって時間稼ぐんだよ。

「どうかしましたか?」明らかにガードマンが不信がっている。

いい訳を考え頭がフル回転だ。

「あっ」シェリーが突然すっとんきょうな声を上げた。

「コンタクトを落としてしまいました。皆さん動かないで下さい」

皆足元に注意しシェリーがコンタクトを拾うのを待つ。

「ハッキングに成功した」救いの無線が入った。



「お前目悪かったんだな?あの時コンタクトが落ちなかったら危なかったぜ」

最上階に向かう途中いきなりのアクシデントを振り返る。

「あー?両目とも1.5だよ。ターコ、演技に決ってるだろが!あんな都合の良い事起こるわけねーだろーが!」

シェリーは両腕を左右に広げ首を振った。

クソ、また一本取られた。



最上階に着いた。

クルー達と合流し王を拉致する手はずだ。

銃の手入れをしながらクルー達を待っていたがクルー達は一向に現れない。

嫌な予感がする。

シェリーも同感のようだ。

しかし、任務は続行しなければならない。

二人は王の部屋を目指した。

ガードマンがいない。

ドアノブに手をかけるとロックもしていない。

中に入ると王の死体を発見した。

嫌な予感が確信に変わった瞬間だ。

「山崎どうなってるんだ?」

ボクはどなり声を上げた。

「分からん。とにかく二人は屋上で逃走用の船を待て。情報が・・・」

そこで無線は繋がらなくなった。



ここで問題だ。

山崎に言われた通り屋上へ向かうのか?

答えはNOだ。

もう誰も信用出来ない。

ボクはあらかじめ用意していたぶつを取りに行く。

パラグライダーだ。

急いで装着している後でシェリーが黙って立っていた。

「早く屋上へ行かないのか?」

ボクは作業をしながらしかし、振り向かずに話しかけた。

「まだ死にたくないんでね。屋上に行ったら命はないよ」

シェリーもボクと同意見の様だった。

準備は出来た。窓を銃で撃ち抜く。

少し思案してから振り返り「一緒に来るか?」

ボクはシェリーに手を差し出した。

シェリーは遠慮勝ちに手を重ねた。


















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[ 2013/05/03 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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