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もう一度(2)

もう一度(2)

約十年ぶりに帰ってきたが周りの景色はずいぶん変わった。
駅前の大規模開発により新築のマンションが立ち並び時の流れを感じる。
だが、祖父の家は違う。
伝統的な平屋建てのこの家だけは少年時代のままだ。

台所で余りものから適当に炒め物をしている。
オレが食べるんじゃない。
ずうずうしい犬のために腕を振るっているんだ。
「ほら出来たぞ」
皿に移し替えずうずうしい犬の目の前に置いた。
よほど腹がすいていたのかガツガツ上品とは言えない犬らしい食いっぷりだ。

ん?
首輪に何か書いてあるな。
外は暗くて気づかなかったが文字が書いてある。
「八月一日・・・」
ん?ん?八月一日???
何の日付だ?
このずうずうしい犬の誕生日か?
まーおそらくそんなとこだろう。
オレはずうずうしい犬の皿を洗おうと取り上げたらワンと一吠えされた。
「もう食い物はないぞ」
オレは構わず皿を洗っていたら何かを訴えるようなつぶらな瞳を向ける。
もしかしてこいつ・・・
皿に水を注ぎこのずうずうしい犬の目の前に置いてみた。
ペロペロと食後ののどの渇きを潤し始めた。
満足したのかワンとまた一吠えした。
ごくろうさまと言いたげな表情だ。
このクソずうずうしい犬め・・・

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[ 2015/10/09 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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