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もう一度(4)

駅前ロータリーにある時計台の前で人待ちだ。
あのやろー30分も遅れやがって。
時間厳守と向こうが言ったのに。
オレがイライラを募らせているところに
「おっす。お待たせー」
かるーい感じで男が現れた。
「お前30分も待たせやがって」
「いやーわりーわりービールおごるから勘弁してね」
全く悪びれた様子がない。
こいつとはいつもこんな感じだった。
懐かしさでついついほほが緩んだ。
「仕方ないそれでかんげんしてやるよ」

居酒屋きゅうべえ
名前は古臭いが店内はシックな装いでコンセプトのよくわからない店だ。
とりあえずビールで乾杯をし昔話に花を咲かせた。
「いやーあの頃はほんとよく練習したよなー」
「ちょっと待て、お前地獄のランニングはよくさぼってたじゃないか」
オレはすかさずツッコミを入れる。
「そうだっけ?とにかくサッカー漬けの毎日だったよなー」
「ほんとそうだよな。あの頃は何の疑問も持たずにサッカーだけだったな」
大好物のチャンジャをつまみに酒が進む。
「あちょっと、トイレに行ってくる」
オレは席を立ちトイレに向かった
「あれー晋作さんじゃないですかー」
小男がなれなれしく声をかけてきた。
「あー久しぶり」
こいつが誰だか思い出せなかったが話を合わせる。
「いつ帰ってきたんですか?言ってくれれば歓迎会を開いたのに」
「あーそれは悪いでしょ。」
「何言ってるんですかー。それより仙一さんとはもう会ったんですか?」
「あー今一緒に飲んでるんだよ」
「マジですかー。伝説の晋仙組の復活ですね。後であいさつに行きます」
小男は軽い足取りで消えていった。
「そっちのほうか・・・」

オレは顔を引きつらせて席に戻った。
「うん?どうした?」
オレの様子が変なことに気づいたのだろう
「いや、昔の知り合いに会ったようだ」
「会ったようだ?」
何のことだと顔が訴えてる。
「そんなことより飲もう」
何もなかったかのように飲みなおしていたのを例の小男がさえぎった
「ちわーっす、あいさつに来ましたー。晋仙組再結成おめでとうございます」
途端に仙一の顔がくもる。
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[ 2015/12/03 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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