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もう一度(14)

和洋中色とりどりの料理が並ぶ。
つまみもバリエーション豊富で高い金を払って居酒屋に行くのがバカらしくなるほどの豪華さだ。
「さすが晋作だぜ、今日は盛り上がるぞ」
飲む気満々の仙一。
「ここまで行くと女として敗北感しかないわね」
呆れた様子の絢。
「じゃあ、絢の新しい門出を祝って乾杯」
ホスト役として最初だけは仕切らせてもらう。
オレがボケて仙一がツッコミ絢が回す昔と変わらないスタイルでバカ騒ぎが続く。
箸休めにデザートを持って戻ると仙一がマドマギのほむらのフィギュアをじっと見つめている。
実はオレは、マドマギのほむらがお気に入りなのだ。
「仙一お前ほむらをそんな凝視してキモいんだが。。。」
「晋作が他人の事言えないでしょ。」
「あのさ、何か思い出さないか?」
仙一が意味深な事を言う。
「思い出すって何を?」
オレは全く身に覚えがない。
「タイムカプセルだよ。晋作が引っ越すとき庭に埋めただろ」
あー、オレと絢が声を揃える。
「掘り返そうぜ」
「今から?」
「当たり前だろ、こんな面白いものほっとく手はないぜ」
オレ達は懐中電灯片手に記憶を辿りながら地面を掘り返す。
当初の思わくとは裏腹に一向に見つからない。
記憶が曖昧なのと広い庭のおかげで結局堀当てるのに一時間近くかかってしまった。

へとへとになったが全員興味津々だ。
箱を開けると当時にタイムスリップしたかのような錯覚に陥った。
懐かしい品の数々。思出話に花を咲かせるなか気になるものを発見した。
「これ8ミリフィルムだな、何を撮ったんだろう?」
「面白そうだな早く見ようぜ」
「私も見たーい」
オレは祖父の部屋に映写機を取りに行った。
祖父は映画が好きでよく、オレの事を撮っていたことを思い出した。

映写機をセットする。
さて、何が写っているのやら。
ごくあり触れた街並みが映し出された。今とは大分違う当時の街並みだ。船中が現れサッカー部の部室。
ドアを開けると当時の仲間達だ。
「マジかよー、よもぎんだよ」
仙一が大声をあげる。
「あー私も写ってる」
絢が大笑いする。
オレが記念に撮ったものだ。
大盛り上がりだが一つ引っ掛かるものがあってフィルムがもう一つあるのだ。
確か2本も撮ってないはずだが。。。
「よし、次のも見ようぜ」
「早く、早くー」
二人が急かす。オレは腑に落ちなかったがセットする。
天沼公園だ。
「さっきより上手く撮れてるわね」
「少しは進歩したんだろ」
言いたい放題だな。
画面が切り替わり固定されている。
女の子が枠外から走り込みこちらに手を振っている。
「私に素敵な思い出をくれてありがとう。」
足元に子犬が駆け寄る。
「イブにもう一度会おうね、おにいちゃん」
そこでフィルムは終わった。
「泣きぼくろのかわいい娘だね。このこ誰?」
「。。。」
オレと仙一は固まって声がでない。
「ちょっとう、どうしたのよ二人とも」
絢は訳がわからない様子だ。
オレは時計に目をやる。11時を少し回ったところだ。急いで玄関に駆け出す。
「待ってよ晋作あの女の子と何かあったの?」
オレは振り向かず
「約束を果たしてくる」
外に飛び出した。
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[ 2016/01/24 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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