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湾岸の皇帝

男の名前は田中大。衆議院議員田中公平の一人息子だ。そこそこのイケメンにヴィトンのサングラスが微妙に似合う。
今は夜中だ。前が見づらいだけである。
田中は首都高を目指し愛車フェラーリで街を疾走しようとして渋滞にハマっていた。

首都高に到着。今から2時間前に映画ワイルド▪スピードに感化されここまで来た。
気分はハリウッドスターである。
一台のランエボが田中を煽ってきた。
「まったく、しょぼい日本車が僕のフェラーリに敵うと思っているのかい?」アクセルを踏み込む。
圧倒的スピードとパワーの前に成す術もなくちぎられるランエボ。フェラーリがただの爆音機ではなく素晴らしいマシーンだと言うことを証明する。
フェラーリは次々にしょぼい日本車を抜き去る。
田中は子供の頃ゴーカートで日本一になりセナの再来と呼ばれていた。残念ながら父親の跡を継がなくてはいけないためF1界の至宝を世界は失った。
「僕が湾岸の皇帝だ」
誰も田中を止められない。正しく彼こそが湾岸の皇帝だ。

もはや、妄想の世界の住人となった田中の背後にいつの間にか黒いGT-Rがピタリと張り付いている。
「面倒だな」
道を譲るがGT-Rはそれを拒否する。
「面白い、身の程知らずめ」
アクセル全開。バトル開始だ。

フェラーリになんとか食らいつくGT-R。
「フフフ、頑張っているな。そろそろ終わりにするか」
更に加速するフェラーリ。だが離れない。
「どうなっている。何故離れない。」
田中に焦りの色が浮かぶ。
カーブに差し掛かる手前でGT-Rが仕掛けてきた。
「ここで仕掛けるのか」
お互いに一歩も引かない。我慢比べだ。
「こいつ死ぬ気か?」
田中はアクセルを緩める。GT-Rは華麗に抜き去る。距離は開く一方。あっという間に遥か彼方に消え去った。
「うそ。。。」田中は茫然自失だ。
それもそのはず。あのGT-Rは本物の湾岸の皇帝だからだ。いつでもちぎれたが、小生意気な小僧をからかっていたのだ。
失意の田中はこの後警察の取り締まりの罠にハマった。


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[ 2016/02/11 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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