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欠片を4求めて(8)

平木は、小児病棟にいるあづみの元に向かった。
皆、何かしらの病気を抱えているのに子供らしさは失っていない。
あづみは、平木に目をやるなり走り寄って抱き着いてきた。
平木は、恥ずかしがりながらも嬉しさでいっぱいだった。
あづみは、とにかくおしゃべりだった。
話したくてうずうずしてるのが手に取るようにわかる。
話の内容は、子供らしい取り留めのないものだ。
手話が、出来る人間は限られるので、ボクに話せるのが嬉しいのだろう。
(そろそろ、時間だからもう行くね。)
(もう、行っちゃうの?)
(ごめん、時間が出来たらまた来るから。)
(絶対だよ?約束だからね?)
あづみは、小指を平木に向けた。
平木は、小指をあづみに絡ませた。

「平木先生が、来てくれて助かりました。あづみちゃんここの所元気がなくて。
私じゃ、手話が上手く出来なくて・・・」
玉木が、申し訳なさそうに下を向く。
「無理もないよ。そう簡単に出来るようにはならないからね。
今度、簡単なことなら教えるよ。」
「本当ですか?ありがとうございます。」
玉木は、満面の笑顔で答える。
「じゃあ、ボクはこれで」
平木が、立ち去ろうとするのを玉木が引き止める。
「そうだ、前、平木先生が言ってたボランティアの子ってたまに平木先生が話してる女の子の事ですか?」
玉木が、唐突に少女の事を聞いてきた。
「そうだけど、それがどうかした?」
「実は、あの子ボランティアじゃないんですよ。ここの患者なんです。脳外科の看護師に確認しました。」
玉木の、以外すぎる発言に平木は言葉に詰まってしまった。
「どういう関係かは知りませんが、気を付けたほうがいいんじゃないんでしょうか・・・」
玉木は、遠慮がちに言う。
「教えてくれてありがとう。今度、手話の勉強をしようね。」
平木は、何事も無かったように手を挙げて玉木と別れた。
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[ 2017/03/04 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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